お盆は日本人なら誰でも知っていることと存じますが、その意味・由来をご存知でしょうか。
お盆は本来は盂蘭盆(うらぼん)と言います。盂蘭盆とはインドの古い言葉・サンスクリット語のウランバナの音写もしくは古代のイラン語のウルバンの音写であると言われております。
ウランバナは倒懸(とうけん・逆さ吊り)という意味で、ウルバンは霊魂という意味です。
つまり、盂蘭盆とは先に亡くなった人の逆さ吊りのような苦しみから救う行事ということです。
この盂蘭盆の由来となるお話しが盂蘭盆経(うらぼんきょう)に説かれておりますので、ご紹介いたします。
お釈迦さまの十大弟子の一人で神通(じんつう)第一と言われる目連尊者(もくれんそんじゃ)のお母さん青堤女(しょうだいめ)が亡くなったので、目連尊者は得意の神通力でお母さんをさがしたところ、なんと餓鬼道(がきどう)で見つかったのでした。
お母さんは飲まず、食わずの状態で、全身骨と皮ばかりにやせ衰え、苦しんでおられました。
目連尊者は得意の神通力を使って、お母さんにご飯をさし上げたら、ご飯は燃え上がってしまいました。
そこで、水をかけたら、なんと水が油に変わり、ますます激しく燃えて、ますますお母さんの苦しみが増してしまいました。
目連尊者はお釈迦さまにご相談しました。
お釈迦さまは
「お前の母は生前、お前を育てるために物惜しみをした罪によって餓鬼道に堕ちたのである。新たな修行に出発する自恣(じし)の日・七月十五日に十方(じっぽう)の聖僧(せいそう)を招いて、飲食(おんじき)を供養し、布施の行(ぎょう)を行いなさい」
とおっしゃいました。
目連尊者ははお教えのとおり実行し、その功徳によって、お母さんは救われたのでした。
一説によりますと、その大きな喜びから盆踊りが始まったと言われます。
お盆の時期にあたり、父母・祖先を思い、布施の供養をいたしたいと存じます。