こんばんは、
出張専門のお坊さん有坂脩岳です。
今から20年以上前のことです。
ある日、突然、読経中に声が出なくなりました。
当時は近所の耳鼻科に駆け込み、ステロイド剤でなんとかその場をしのぎました。
以来、葬儀や法事の読経中、頻繁に声が出なくなる症状に悩まされ続けました。
あなたと同じように声帯を酷使する人は、学校の先生に多い。
医師には、声を使い過ぎないようにするしか方法はないと言われました。
そうはいわれても、仕事柄、声を出さないわけにはいきません。
総合病院を受診した時のこと。
ここでも声が出なくなる原因はわかりませんでしたが、有益な情報を得ることができました。
それは、医師が「そういえば東京にボイスセンターというのがあったなー」という一言でした。
早速、ネットで調べたところ、東京・赤坂の山王病院内に「東京ボイスセンター」があることがわかりました。
すぐに予約をして受診したところ、やっと原因を突き止めることができました。
鼻と口から内視鏡を入れて検査をした結果、原因は「慢性上咽頭炎」でした。
風邪をこじらせたことによって上咽頭部の粘膜が炎症を起こし慢性化していました。
なぜ、声が出なくなるのかというと、
例えば、自動車のエンジンはオイルが無いと焼き付けを起こします。
声帯も振動することによって声が出るので、焼き付けを起こさないためにはオイルが必要です。
ところが、声帯は筋肉だから自らは粘液(オイル)を出さない。
上咽頭部の粘膜から出るサラサラの粘液が声帯を潤すことによって、声帯は焼き付けを起こさない。
だが、粘膜が炎症を起こしていると、粘度の高い粘液が分泌される。
このネバネバの粘液では潤滑油の役目は果たさないので、声を出し続けていると声帯が焼き付けを起こす。
読経中に一時的に声が出なくなるが、少し時間をおくとまた声が出るようになるのがその証拠だ。
という、とても明確な答えを得ることができました。
ではどんな治療をするかというと、飲み薬は無い(効かない)ので、炎症部を直接擦(こす)る方法しかない。
子どもの頃、風邪をひくと喉ちんこの辺りをグリグリとやられたあの治療です。
なぜ炎症部を擦るのかというと、炎症を起こしている粘膜を取り除くことによって、新しい粘膜が再生されます。
これを繰り返すことによって、徐々に正常な粘膜になっていくということです。
先ず、鼻から薬液を浸した綿棒を入れ、喉ちんこまでを擦ります。
次に、口から薬液を浸した綿棒を入れ、上咽頭部をグリグリと擦ります。
この治療を最低でも週に一回は行わないと、効果が望めないとのことでした。
ところが、これがとんでもなく痛かったのです。
最初のときは3日間ほど、唾を飲み込んだだけでも飛び上がるほどヒリヒリしました。
それだけ、炎症がひどかったということでしょうか。
仕事が忙しく一ヶ月ぶりに行ったときなどは、もっと頻繁に来ないとダメだよと怒られたりもしましたね。
半年ほど通って、ようやく治療が終わりました。
ただ、風邪をひくと再発するから気を付けてねと注意されました。
事実、何度が風邪をひき、症状がぶり返したため、また通院したりもしました。
担当医が辞められたため、現在は家から1時間ほどの別の医院に通っています。
こちらでは「6スポット治療」という以前のBスポット療法より進んだ治療をしており、免疫を高める効果もあるということなので、新型コロナウイルスの感染を防ぐ効果を期待して、また喉のメンテナンスも兼ねて月に数回の治療を続けています。
もし、あなたも突然 声が出なくなって困っているようでしたら、「副鼻腔炎」「Bスポット療法」「擦過療法」等で調べてみてはいかがでしょうか。
但し、この療法を行っている耳鼻咽喉科は少ないので、根気よく探してみてください。
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