三寒四温の折、少しずつ春の光が暖かくなってきましたね。
修岳和尚です。
本来なら、心浮き立つ桜の季節を待ちわびる時期ですが、
イスラエルとアメリカ、そしてイランの間で戦争が始まったという
ニュースが飛び込んできました。
「遠い国の出来事」と感じるかもしれません。
けれど、いまや世界は一つの「地球共同体」です。
どこかで起きた争いは、物価の上昇や心の不安となって、
やがて私たちの暮らしにも波紋を広げます。
こんな時代だからこそ、私は一人の仏教学者の言葉を思い出します。
今朝のお経ライブでも、このことについて静かにお話ししました。
文字だけでは伝えきれない思いもありますので、よろしければご覧ください。
仏教は「説得」で広まった
インド哲学の権威であった中村元(なかむら はじめ)博士は、
こう語っています。
仏教は暴力によって人を従わせることはなかった。
武力によらず、説得(対話)だけで広まった宗教である。
人類の歴史では、宗教や考え方の違いが多くの争いを生んできました。
しかし仏教は、力ではなく「対話」と「理解」によって、
人々の心に浸透していったのです。
これは、聖徳太子の和をもって貴しとなすという精神にも通じます。
世界が分断へ向かおうとするいま、私たちは「力」ではなく
「和」を選ぶ勇気を持てるでしょうか。
私たちは「目に見えない糸」でつながっている
博士は、仏教の縁起(えんぎ)という教えをこう表現しました。
人は一人で生きているのではない。
無数の人々、自然、太陽の光、宇宙そのものとつながっている。
これを私たちの日常に置き換えると、
「今日のごはんも、電気も、誰かのおかげで届いている」ということです。
戦争は「あいつらは敵だ」という分断から始まります。
対して仏教は「みんなつながっている」という調和を思い出させてくれます。
相手を「敵」と見るか、
それとも「同じ地球に生きる仲間」と見るか。
その視点の違いが、私たちの子供たちが生きる未来を分けます。
釈尊の最後のメッセージ
お釈迦様(釈尊)は、最後にこう言い残されました。
自らを灯とし、法(真理)を灯とせよ
国家も、武力も、形あるものはいつか滅びます。
しかし、「命を慈しむ」という法(ダルマ)は、
太陽や月のように静かにすべてを照らし続けます。
不安なニュースが続きますが、まずは私たちの足元から。
目の前の家族や隣人と、温かい対話を重ねていきましょう。
修岳和尚より
世界が平和でありますように
合掌